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1on1は意味がない?効果的なミーティングにする仕組みとは

W-Insightコラム

1on1は意味がない?効果的なミーティングにする仕組みとは

上司も部下も1on1ミーティングに意味がないと感じながら、惰性で1on1ミーティングを続けていませんか?そのような1on1ミーティングにはたしかに意味がないでしょう。しかし、本来、1on1ミーティングには多くのメリットがあります。

この記事では、まず意味のない1on1ミーティングのデメリットを紹介します。その後になぜ、1on1ミーティングが無駄になっているかを説明。最後に意味のある1on1ミーティングにするための提案をします。ぜひ、最後までご覧ください。

意味のない1on1ミーティングとは

意味のない1on1ミーティングとは具体的にどんなものでしょうか。1on1ミーティングをしても効果がない。1on1ミーティングをすることにより、業務に悪影響が出る。1on1ミーティングを「制度」として取り入れたものの、うまく導入できなかった企業の例を見ていきましょう。

無駄な時間になる

1on1ミーティングは上司と部下が1対1で、定期的にミーティングするものです。部下の数が多い上司ほど、1on1ミーティングに取られる時間は多くなります。そして1on1ミーティングに効果がなければ、たしかに無駄な時間になるでしょう。

上司と部下の関係性が悪くなる

本来、1on1ミーティングは上司と部下の信頼関係を構築し、従業員エンゲージメントを向上させる効果があります。もし、1on1ミーティングで上司と部下の関係性が悪くなっていると感じたら、1on1ミーティングの進め方などに問題があるはずです。これの解決方法については後から説明します。

人材育成につながらない

1on1ミーティングの主役は「部下」です。そして目的には、自律して行動できる部下を育成することが含まれています。1on1ミーティングを通じて、上司が部下の成長を実感できないのであれば、やはり1on1ミーティングの進め方自体に問題があります

離職率が高まることも

上司も部下も意味のないと感じる1on1ミーティングを続けて、通常業務が滞るようになると、当然モチベーションが低下するでしょう。中には1on1ミーティング自体を止めて欲しいという部下も出てくるかも知れません。最も悪いケースでは、仕事全体へのモチベーションが低下し、会社を辞める人も。


1on1ミーティングは従業員エンゲージメントを向上させ、離職率を低下させる効果があります。上司、部下共に1on1ミーティングに不満を持つようであれば、1on1ミーティングの導入方法に問題があると考えられます。

意味のない1on1ミーティングの背景

組織の活性化や従業員エンゲージメントの向上を目的に、1on1ミーティングは導入されたと思います。それにもかかわらず、なぜ意味のない1on1ミーティングがあるのでしょうか。そしてそれは、少数の企業の話ではありません。ここでは、意味のない1on1ミーティングの背景を紹介します。

1on1ミーティングの目的を理解・共有していない

1on1ミーティングの目的を上司と部下が理解・共有できているでしょうか。上司と部下が1対1で話すのが、1on1ミーティングの特徴です。しかし、目的を理解していないのであれば、雑談の域を出ることはありません。

1on1ミーティングの目的は、部下の人材育成です。そのために上司は対話を通じて、部下の話を引き出し、部下に考えさせて、行動するように促すのです。この目的を忘れてしまうと意味のない1on1ミーティングになってしまいます。

通常業務より1on1ミーティングの優先度が低い

忙しい職場などでは、1on1ミーティングの優先度を通常業務より下げてしまう場合があります。優先度を下げてしまった結果、1on1ミーティングが定期的に行われない。また、1on1ミーティングを実施したとしても、内容の薄いものになりがちです。さらにこの状態を繰り返していくと、どんどん1on1ミーティングの優先度は下がります。

面談と1on1ミーティングの区別ができていない

こういったケースがよくあります。一般的な評価面談は上司が主導して話をします。1on1ミーティングは「対話」により、上司が部下の考えていることを傾聴するものです。そして、部下に実際に考えさせ、行動を促す目的があります。

面談と1on1ミーティングの違いをはっきりと理解していないと、意味のない1on1ミーティングになります。

アジェンダを決めていない

1on1ミーティングで上司と部下が1対1になった時、「話すことがない」。これもよく聞く悩みです。1on1ミーティングは仕事のことだけではなく、健康状態などさまざまなテーマで話ができます。上司も話すことがないと感じるように、部下も話せることがないと思っています。事前にアジェンダを共有しておけば、状況はずいぶん変わるでしょう。

意味のある1on1ミーティングにする提案

意味のない1on1ミーティングは続ける価値がありません。ここでは、1on1ミーティングを意味あるものにするための提案をいくつかします。

1on1ミーティングの目的を共有する

上司と部下で1on1ミーティングの目的を共有することが重要です。人事評価面談とは違い、上司と部下がまず信頼関係を築くこと。部下が主役であり、部下が成長するようにサポートするものであること。話すテーマはさまざまですが、上司と部下の心理的安全性を高めることも共通する目的です。

事前に部下とアジェンダを共有する

いざ1on1ミーティングを始めても、なかなか話せないものです。そのためアジェンダを事前に部下と共有することをおすすめします。

1on1ミーティングのテーマとしては主に、「プライベートに関すること」「心身の健康状態に関すること」「モチベーションに関すること」「組織に関すること」「目標設定に関すること」「将来のキャリアに関すること」「組織方針の背景に関すること」に分類できます。

たとえば「5年くらい先にどんな仕事がしてみたいか」などというテーマでもいいでしょう。人事評価面談とは違いますから、異動の希望を聞くわけではありません。そのキャリアに向けてどんな仕事の進め方や資格を取得したらいいか一緒に考えるのです。

前述の1on1ミーティングのテーマや話し方の詳細は下記の記事に詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

1on1で何を話す?目的から考えるミーティングのあり方

上司の対話スキルを高める

従来上司は、部下に仕事を教えるというティーチングスキルが培われてきました。先輩から後輩に仕事のやり方を教えるというのが当たり前でした。1on1ミーティングでの部下の育成は「自律型従業員の育成」です。というのもVUCA(※)の時代といわれる将来がわかりにくい時代になってきたからです。部下自身が考えて、行動する場面も増えるでしょう。

そのため1on1ミーティングで求められる上司のスキルはティーチングスキルではなく、コーチングスキルです。今まであまり求められてこなかったスキルだけに、身につけている上司は多くないでしょう。そのため、上司のコーチング研修をおすすめします。

※VUCA:Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べた言葉

まとめ

最初に、意味のない1on1ミーティングの状態をお伝えしました。1on1ミーティングは上司と部下が1対1で対話するものです。そのため、どうしても部下の多い上司は時間を取られてしまいます。その状態で、1on1ミーティングに意味がないと感じられているのであれば、問題は大きいと思います。メリットよりデメリットの方が大きいのですから。

本来、1on1ミーティングは組織を活性化したり、心理的安全性を高めたりする効果があります。そこで、意味のない1on1ミーティングになっている背景について触れてみました。よくあるケースとして、1on1ミーティングという制度は作ったが、組織全体に目的ややり方が浸透していないこともあります。そのため、一番重要なのは目的の共有です。

最後にいくつか、意味のある1on1ミーティングにするための提案をしました。1on1ミーティングの目的を共有できれば、多くの問題が解決できると思います。また、上司にはぜひ、コーチングスキルを身につけていただきたいと思います。記事内で述べているとおり、今まではあまり必要とされてこなかったので、身につけている人は少数でしょう。

1on1ミーティングがスムーズにできていないのであれば、上司にコーチングスキルの研修をおすすめします。W-Insightでも「信頼関係を構築する1on1体験セミナー」や「対話型コーチングスキル養成プログラム」を用意しています。セミナーで知識として学ぶだけではなく、体験演習を通じて身につけていくプログラムです。ぜひ、ご検討ください。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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