お金だけで人は動かない!モチベーションとの関係を解説します
給料を増やしたらやる気が出るだろう。それなりの職位につけたら、さらに仕事をするだろう。とくにバブルがはじける前の成長期を過ごしたビジネスパーソンはそのように考えるのではないでしょうか。そして、思うように動いてくれない部下にフラストレーションを抱えている人もいるでしょう。
たしかに成長期には、給料が毎年増えました。年功序列で出世が当たり前の時代もありました。そのため、常に「お金」などの強い刺激があって、ほかの価値観を強く感じなかったのかも知れません。
現代は、給料も上げられない、ポジションも上げることが難しい時代です。今、人は「お金」だけで動くのでしょうか。この記事では「お金」と「モチベーション」について解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
目次
お金があったら人は動くという勘違い
社員に高い給料を与えたら、今より働くと思っている人はいないでしょうか。もちろん、給料が増えることは大きな刺激になります。しかし、「お金」があまりインセンティブにならない人がいるのも確かです。
ある人は仕事について、単なるお金を稼ぐためのものでなく、自分の創造性を高めるコトと考えているかも知れません。また、ある人は仕事を通じて職場のメンバーと助け合うことに価値をおいていることもあります。
そして、自律性を求める人もいます。自律性を優先する人にとっては、自分の意思を活かすことが重要です。そのような人は、そもそもお金で命令されることを嫌う可能性もあります。
そもそもモチベーションとは
モチベーションは、日本語で「動機付け」「意欲」「やる気」を意味する言葉として使われます。動機とは、人が行動を起こす時の要因になるものです。
ビジネスでは、モチベーションは「業務に対する意欲」を意味します。仕事への意欲を引き出す時、「モチベーションを与える」といいます。また、「モチベーションが上がる」「モチベーションが下がる」などもよく使われる言葉です。
それでは「モチベーションが高い」とは、どういう状態を指すのでしょうか。モチベーションが上がると人は集中力が高くなり、労働生産性も上がります。また、自分だけでなく周りの人まで高いモチベーションが伝播し、チーム全体のポテンシャルも上がります。
次に「モチベーションが低い」状況とは。人はモチベーションが下がるとやる気がなくなり、集中力を維持することが困難になります。そのため、生産性が落ちたり、ミスが頻発したりするようになります。また、モチベーションの低い社員が増えると、組織としての労働生産性も下がってしまうのです。
モチベーションは2種類ある
モチベーションは2種類あるとされています。「外発的動機」と「内発的動機」です。ここでは、それぞれについて紹介します。
外発的動機
外発的動機とは、外部から与えられた目的などから生じる動機です。その目的を実現するために人は行動します。外発的動機が使われるのは、何らかの目標を達成しようとする時が多いです。
外発的動機は目的を達成してしまうと、モチベーションが下がります。結果として、外発的動機の効果は一時的なものになりがちです。そのため、長期間一緒に働く部下との関係性向上や成長を続けて欲しい部下の育成に、継続的な効果を発揮するのは難しいといわれます。
前述の「社員に高い給料を与えたら、今より働くか」という行為は、「お金のために仕事をする」という点で外発的動機に分類できます。しかし、後述するモチベーターの「ファイナンス」が高い人には効果が高いでしょう。
内発的動機
内発的動機は、外発的動機と一緒に説明されます。外発的動機が外部から与えられるのに対し、内発的動機はその人自身の価値観などに起因します。外部からのインセンティブなどによらず、その人がその行為自体にやりがいや楽しみを感じている状態です。
外発的動機の効果が短いのに対して、内発的動機は効果が継続します。その理由は、自分の価値観などが内発的動機の源になっているからです。ビジネスの場で内発的動機をうまく活かせれば、自ら目標を設定する社員・自発的に成長する社員になります。多くの企業が望んでいる、自立・自律した社員を育てるためには、内発的動機付けが重要です。
価値観のすれ違い
人の「行動」はその人の「性格」が土台です。その性格の土台に「価値観や内発的動機」があります。この価値観や内発的動機をモチベーターと呼びます。
この価値観は、誰一人として同じ人はいません。しかし、人は往々にして自分の持っている価値観をスタンダードと思い込んでしまいます。そのため、皆が自分と同じように社会をみていると感じているのです。その結果、価値観のすれ違いが生じ、時にトラブルに発展することもあるのです。
W-Insightは、各企業のチームに対してモチベーション・アセスメントを行っています。モチベーション・アセスメントでは、価値観や内発的動機であるモチベーターを11の要素に整理しています。その要素は、「利他性」「創造性」「合理性」「安全性」「フィードバック」「ファイナンス」「競争性」「成長」「自律性」「社交性」「ステータス」です。
人それぞれ、これらのモチベーターの中で何を重視しているかが違います。また、それぞれのモチベーターの優先順位や欲求のレベルも違うのです。
たとえば、「ファイナンス」の高い人には、給料を上げるというインセンティブは効果的です。しかし、「成長」の欲求が高い人には、お金よりも仕事を通じて得られるスキルの方が魅力的かも知れません。そう考えると、その人にあったモチベーターに働きかけることが、有用であるとわかると思います。
チームメンバーの価値観を知ることが重要
まず、人それぞれ異なる価値観があることを知ることが大切です。次に一人ひとりの価値観を認めて、尊重することが重要です。
また、性格の土台である価値観や内発的動機は変わりにくいといわれます。そして、本人すらも気がついていない価値観や内発的動機もあります。一人の人間の中でこれらの価値観が複数あり、影響し合って行動になるのです。
W-Insightの行うモチベーション・アセスメントでは、ツールを使ってチームメンバー一人ひとりのモチベーター(価値観・内発的動機)を見える化します。また、チームメンバー同士の価値観の違いを可視化。これにより、価値観のすれ違いが生じない業務プロセスを提案しています。
多くの企業が1on1ミーティングを取り入れています。しかし、必ずしも導入した企業が成果をあげている訳ではありません。1on1ミーティングを導入したが、うまく機能していない。このような職場の人間関係に起因する問題を抱えている職場がありましたら、ぜひ一度、W-Insightにご相談ください。
最後までお読みくださりありがとうございました。