株式会社W-Insight

自律性をもった社員が育つために必要なこと

W-Insightコラム

自律性をもった社員が育つために必要なこと

経営者の方とお話をすると、よく「自律性をもった社員が欲しいという」という言葉を聞きます。また、社員だけでなく、「組織」に対しても同じように自律してマネージメントをして欲しいとも。

この記事では、自律性をもった社員が育ちやすい職場作りについて説明します。

社員の働き方に自律性が求められる背景

現代は非常に不確かな時代になっています。常識といわれていたことが、数ヶ月後に大きく変わっていることも、珍しいことではなくなりました。その変化をよいことと捉える風潮もありますが、絶えず時代に追従していくことは困難を極めます。

VUCAの時代

このような時代を表す言葉に「VUCA(ブーカ)」があります。次に説明する4文字の英単語の頭文字を組み合わせて作られています。

「Volatility」は、変動性です。社会が変化を常とする時代になりました。私たちも最新の情報に逐一触れていき、アップデートしていくことが重要です。

「Uncertainty」は、不確実性です。従来のやり方が通用しない状況も生まれました。プラスに考えると、従来にない新しい価値を認められる時代です。新しい環境に適応しながら、新しい付加価値を生み出していくことにチャンスがあります。

「Complexity」は、複雑性です。世の中の仕組みはひとつのことでできているのではなく、複数のものが組み合わさって構成されています。従来は比較的シンプルだった事柄が、インターネットの登場等により複雑性を増しています。一見バラバラな情報の中から本質を見極める能力が求められることになるでしょう。

「Ambiguity」は、曖昧性です。これだけ変化が激しい世の中にあって、正解がひとつだけとは限りません。逆にいえば、明確なゴールが見えにくい社会になっているのです。しかし、正解がひとつだけでないことは、アイディア次第で新しい価値を生み出せることです。

VUCAの時代に求められるリーダーシップ

VUCAの時代になり、経営環境の不確実性が増しています。リーダーシップ論や組織開発に詳しい慶應義塾大学大学院理工学研究科特任教授の小杉俊哉氏は、次のように語っています。

「先行きが予見できず、正解が見えない環境下で組織を駆動させていくには、個の自律性を重視した支援型リーダーシップが欠かせない」

支援型リーダーシップとは、リーダーがメンバー自身の自律的行動を促し、能力を引き出すことです。支援型リーダーシップには、部下の自主性を引き出し、エンパワーメントする「サーバント・リーダーシップ」、メンバーの能力を尊重しながら、背後から組織の向かうべき方向に導く「羊飼い型リーダーシップ」などがあります。

自律性をもった社員とは

VUCAの時代には、支援型リーダーシップが必要で、社員の自律性を重視することが大切だということは先に述べました。それでは、自律性をもった社員とは、どのような姿なのでしょうか。具体的にみていきましょう。

自ら課題と解決策をみつけ、行動できる

まず、指示を待つだけでなく、自分から行動できる社員といえるでしょう。つまり、組織に貢献するために、自分が何をすべきかを常に考えているのです。

責任をもって行動できる

責任感をもっていなければ自律的な行動はできません。自分で判断して行動するので、責任感が生まれます。責任感があるからこそ、行動した結果にミスがあったとしても、その結果からどうすれば状況を改善できるか考えるようになるのです。

自分らしい仕事ができる

自律性のある社員は自分自身の考え方をもっていることも特徴です。仕事に対して、自分の考えや価値観をもっているため、それをもとに判断や行動ができます。人の意見や場の空気に流されず、自分らしい仕事ができます。

自律性をもった社員が育つ職場にするためには

自律性のある社員を育てるにはいくつかの方法があります。先に述べた支援型リーダーシップもそのひとつです。また、社内のソフト・ハード面で環境を整えることも重要になってきます。

ソフト面では、社内で「自律性のある社員が重要」なことを共有し、社員の主体的な行動を促すことが重要です。社員が能動的に行動したタイミングで、1on1ミーティングをして、社員の考え方や価値観について話し合うことは効果的です。上司の考え方や価値観、組織の目標と照らし合わせることで、新しい「気づき」「共感」が生まれることでしょう。

ハード面では、自律性のある社員を適切に評価できるように、評価基準を見直すことも重要です。従来通り、仕事の結果だけで評価すると自律性のある社員は育ちにくくなります。そのため、仕事の成果だけでなく、プロセスに対して評価することも重要になるでしょう。

また、会社の仕組みのひとつとして、1on1を導入するのも効果的です。社員と上司が価値観や考え方の違いを知り、その上で会社の方針を共有できているからこそ、社員は自律的な判断ができるのです。

気づきから相互理解のある職場へ

自律性のある社員が育つ職場を作るためには、1on1も有効な手法のひとつです。1on1自体は2012年にヤフーが導入し、外資系企業を中心に日本でも普及していきました。今では、多くの企業が1on1ミーティングを導入しています。

しかし、1on1を導入したものの、「1on1に時間をとられて仕事ができない」「今までの個別面談と何が違うの」という声も・・・・・・。

W-Insightは、1on1について、部下と上司が考え方や価値観の違いに「気づく」有効なツールだと考えています。お互いの価値観の違いを知り、それに気づき、お互いに共感しながら仕事ができるからです。

前述の個別面談の中心は「上司」でした。しかし、1on1の主役は「部下」で、そして上司もそこから多くの「気づき」が得られるのです。

お互いに違いがある。それは考えると当たり前のことですが、自分だけではなかなか気づきにくいものです。W-Insightでは考え方や価値観の違いを理解するサービス(attuned)も用意しています。本人すら気がついていない価値観がわかり、チームで共有することで、「気づき」が得られ、「共感」が生まれます。

相互理解のある職場、心理的安全性の高い職場ともいわれますが、そのような職場に「気づき」「共感」は不可欠なのです。また、そのような職場であるからこそ、自律性のある社員が働きがいのある職場になるのです。ぜひ、そのような視点からVUCAの時代に対応するためにも、自律性のある社員が育つ職場を作っていただきたいと考えています。

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