企業が成長していくために「共感力」が不可欠な理由とは?
2020年新型コロナウィルスの流行による緊急事態宣言で、
多くの会社はテレワークをするようになりました。
突然のテレワークで社員のコミュニケーションのあり方も大きく変わりました。
今回は、このテレワークの流れにも軽く触れ、これからさらに必要になる
「共感力」や「well-being」について紹介していきます。ぜひ、最後までご覧ください。
目次
情報の共有化は進んだが心はシェアできているか?
職場にグループウェアが導入されはじめて、ずいぶんと時間が経ちました。2020年に新型コロナウィルスが流行して突然のテレワーク。
情報の共有化は進んだようにも感じます。ところで、社員の心・感情は共有できているのでしょうか?
グループウェアの導入
1990年代半ば以降、大企業を中心にグループウェアの導入が盛んになりました。企業のイントラネットも整備され、電子メールなどの環境も整いました、そのグループウェアの導入の目的は「情報の共有化」「業務の効率化」などに力点が置かれていました。
もちろん、電子メールの導入により社員同士のコミュニケーションが向上しなかったわけではありません。しかし、それはあくまでも副次的な効果に過ぎませんでした。そのため、グループウェアの導入で、社員が仕事にやりがいを感じられるようになったかといえば、疑問が残ります。
コロナ禍で強制的にテレワークに
2020年新型コロナウィルスの流行に伴う緊急事態宣言で、多くの人が自宅からテレワークをするようになりました。afterコロナ・withコロナになっても、この潮流は続くいう識者もいます。
しかし実は、テレワークについて、2006年頃から政府は、「生産性の向上」や「ワークライフバランスの実現」に向けた政策課題として取り組んでいたのです。しかし、テレワークは新型コロナウィルスが流行するまで普及率が伸び悩んでいました。
そのため、多くの社員は十分な準備ができていない状態で、テレワークの海に放り出されたというわけです。新入社員の中には、入社以来1度も会社に出社していない。また、上司とはZoomでしか顔をあわせたことがないという社員もいるくらいです。
いずれ、このテレワークという働き方における社員同士のコミュニケーションのあり方も、大きな社会問題になってくると思います。私たちも重要な課題として認識しています。
経営には「共感力」が不可欠
私たちは経営のMISSIONに以下のことを掲げています。
「私たちは、人がもつ内発的動機を大切にしながら、共感能力を養い、人材を育み、企業の成長を促す組織開発を支援いたします」
内発的動機とは「自分自身の内面に沸き起こった興味・関心や意欲に動機づけられている」状態です。この時、人は自分自身で目標を定め、計画を立て、実行できるようになります。そのために中心的な役割を果たすのが「共感力」です。
組織風土として「共感力」を備えることが最良の状態ですが、「組織は人なり」という言葉があるように、まずは人にフォーカスする手法もあります。人からはじめて、組織に定着させることが遠回りのようで、近道の場合もあるのです。
そのために必要なことはまず「自己理解」です。
自分のことを正しく理解できていない・自己肯定ができていない人は案外と多くいます。
そして、自分のことを「知る」と、今度は相手のことも「知りたくなります」
この時、自分と価値観の似ている人、価値観の違う人に気づきます。それによりお互いへの理解、興味がわき、共感につながるのです。そして、違う価値観の人も認める。そのうえで、組織として共通のゴールを目指すのです。
ある日突然退職届を出した社員
「いきなり部下から退職届を出された」。そんな話を時々、耳にします。しかし、「いきなり」と思っているのは上司だけで、部下は退職を考えるきっかけや時間があったはずです。部下には「仕事の負担が重たすぎる」「評価に不満がある」「職場の人間関係がうまくいっていない」。そんな想いがあったはずです。
もし、上司と部下、あるいは社員同士で共感しあえる雰囲気があったら、違った答えになっていたかも知れません。上司が部下に対して興味をもっていれば、「仕事の負担が重そうだな。仕事を少し減らしてみるか」など気づくことは多いと思うのです。
自分自身の価値観を知る。他の人の価値観を知る。そして、お互いの価値観の違いを理解する。そうすれば、社員同士の共感も得られ、職場のコミュニケーションはよくなります。
突然の社員の退職を防ぐためには、「個別に話す時間をつくる」「話しやすい雰囲気をつくる」「部下の仕事の状況を把握する」など個別の対策をよく聞きます。しかし、その根っこの部分に大きな問題が隠れていることもあるのです。
もちろん、組織のコミュニケーションの問題は、退職に限ったことではありません。社員同士が十分なコミュニケーションを発揮していないと、その組織の最高のパフォーマンスは得られないでしょう。また、上司と部下の間のコミュニケーションに問題があれば、正しい指示が伝わらず、当然正しい報告もされません。
このように企業の業績に「人」の要素は深くかかわっているのです。
業績を改善するために、コンピュータシステムを導入しても、それが魔法の杖のように職場を改善に導いてくれるわけではないのです。
このことを経営者やマネージャーは理解する必要があります。
「well-doing」から「well-being」へ
今までの会社経営は一時的な生産性を追求する「well-doing」でよかったかも知れません。
しかしこれからは、サステイナブルな「well-being」の経営が求められます。企業の「well-being」は、そのまま社員の「well-being」に直結します。
「well-being」は「幸福」と翻訳され、身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する概念です。
経営の神さまといわれる松下幸之助氏も、折に触れて「企業は人なり」と説いていました。事業は人が中心になって発展していくものであるという考えです。近年の企業経営は近視眼的になっていた部分もあったと思います。新しい経営手法を取り入れたり、コンピュータシステムを導入したりして。しかし、人をおろそかにしてきた面はないでしょうか。
「人にしかできないコト」「人にしかわからないコト」「人だから得られるモノ」は、まだまだあります。しかし、人材に対する投資はROI(投資利益率)のように計測できるものではありません。
私たちW-Insightが提供できることは、人にしか体感できない感覚を通じて、コミュニケーション力と共感能力を磨く手法です。
これにより、わが社のMISSIONを達成していきます。
「私たちは、人がもつ内発的動機を大切にしながら、共感能力を養い、人材を育み、企業の成長を促す組織開発を支援いたします」