Z世代は何にやりがいを感じる?他の世代と働き方を検証する
1990年代後半に生まれたZ世代が社会人になり、新卒として採用されるようになりました。ビジネスの現場は、ベビーブーム世代の経営者、X世代の管理職、ミレニアル世代(Y世代)の中堅社員で構成されています。そこに新たに加わったZ世代。彼らは何にやりがいを感じるのでしょうか。
この記事ではビジネスの現場を支える主要世代について、簡単に紹介。そして、Z世代に近いミレニアル世代と比較します。さらにこれから現場で一緒に仕事をするZ世代とミレニアル世代の働き方を考えます。ぜひ、最後までご覧ください
目次
Z世代を知る|ビジネスにおける主要世代
現在のビジネスを支えている人たちは、「ベビーブーム世代」「X世代」「ミレニアル世代(Y世代)」「Z世代」です。これらの人たちは一緒に働きながらも、育ってきた時代背景・環境が異なります。もちろん、個性があるので世代だけでは語れませんが、各世代の時代背景・傾向を知ることはムダではないでしょう。
ベビーブーム世代
ベビーブーム世代は、1946年から1964年に生まれた世代です。世界的にも高い出生率を記録しました。日本でも第一次ベビーブームが起こりました。現在の年齢では50代後半から70代。企業においては経営層やマネジメント層にあたるのではないでしょうか。
今では想像をしにくいかも知れませんが、この世代はパソコンのない時代に社会人になり、社会人半ばから後半にかけて、OA(オフィス・オートメーション)が進んだ世代です。
当然、コミュニケーションは対面や電話で行われます。文書の送付も郵送によるものが主流でした。ファクシミリでさえ普及しはじめたのが1985年ごろですから、今とコミュニケーションのあり方は大きく違います。
ベビーブーム世代は、私生活よりも仕事を優先するという価値観で、1950年代から1970年代の高度成長期を支えました。
X世代
X世代は、1965年から1980年ごろに生まれた世代です。東西冷戦の終結、コンピューターの登場など、テクノロジーの劇的な変化を経験している世代です。現在の年齢は30代後半から50代と幅広く、マネジメント層も多いと思います。
もっとも、パソコンとインターネットが本格的に普及したのは、X世代が社会人になってからです。しかし、ベビーブーム世代よりは若い時期にパソコンに接しているので、使い方に慣れるのには時間がかかりませんでした。そのため、コミュニケーションは従来の電話に加えて、電子メールも使います。
前世代のベビーブーム世代に比べると、ワークライフバランスを考えはじめた世代といえるでしょう。
ミレニアル世代(Y世代)
Y世代は1980年から1995年ごろに生まれた世代です。西暦2000年以降に成人を迎えた世代で、千年紀という意味を込めてミレニアル世代とも呼ばれます。
ミレニアル世代の特徴はインターネットが普及した時代に育ったことです。子どもの頃からパソコンやインターネットに接した彼らは、デジタル・ネイティブとも呼ばれます。年齢は20代半ばから30代と幅広い世代です。
Z世代
Z世代は1990年代後半から2015年ごろに生まれた世代です。前世代のミレニアル世代と同様にインターネットやスマートフォンに触れながら育ちました。彼らのコミュニケーションはSNSが中心です。そのため、ソーシャル・ネイティブとも呼ばれます。年齢は10代後半から20代前半です。
Z世代とミレニアル世代の違い
今、ビジネスの第一線にいるのは、ミレニアル世代が多いと思います。ミレニアル世代も学生時代には、携帯電話やパソコン、インターネットがあって当然の中で育ってきました。そして、Z世代はミレニアル世代に続く1995年ごろに生まれた世代です。Z世代は物心ついた時にスマートフォンに触れながら育ちました。
この2つの近い、「ミレニアル世代」と「Z世代」を比較してみましょう。
デジタル・ネイティブからソーシャル・ネイティブへ
ミレニアル世代もパソコンや携帯電話があって当然の時代に育った、デジタル・ネイティブです。必要な情報はまずインターネットで検索するというスタイルができています。
Z世代はミレニアル世代以上にデジタルを使いこなします。SNSは目的に応じてアカウントを使い分けるなどSNSに精通。ネットリテラシーも高くなり、ソーシャル・ネイティブです。
安定志向が進む
ミレニアル世代は、ベビーブーム世代のような仕事一直線の人からワークライフバランスを考える人まで、多様な価値観を持つ人がいます。
Z世代ではさらに安定志向が進みました。「入社する会社を選ぶポイントは何か?」という質問に対して、「安定している会社」と答える割合が多いようです。親世代の大企業のリストラ、終身雇用制の崩壊などをみて、安定志向が強くなったのではないかと思われます。
平等への意識が高い
ミレニアル世代は、東日本大震災などの災害報道やセクハラ・パワハラ・過労死などの労働問題をよくみてきた世代です。そのため、社会問題に関心を持つ人が多くいます。
Z世代はSNSを通じて自分のことをオープンにすることに慣れています。そのため、社内のこともオープンにしてもらうことを求める傾向があるようです。また、共働きが当たり前になった世代で、男女平等の意識も強く持っています。そのため、理不尽な命令や公平性を欠く評価には強い不満を持つようです。
Z世代・ミレニアル世代の働き方
現場でZ世代とミレニアル世代の人が一緒に働く機会は、増えていくでしょう。Z世代とミレニアル世代の人は、一緒にどのような働き方をしたらいいのでしょうか。Z世代と一緒に働くポイントを説明します。
デジタルに強いZ世代を生かす
デジタル機器の扱いは、一般的にミレニアル世代よりもZ世代の方が得意です。もちろん、デジタルに親和性が高いミレニアル世代でも対応できますが、SNS運用など、Z世代の長所を生かせる仕事は任せたらよいでしょう。
指示の理由を伝える
Z世代は、評価などが公平であるか、平等であるかを意識します。そのため、仕事を与える時、単にやり方を教えるだけでは不十分です。
「なぜ今、この仕事をする必要があるのか」「なぜ、この仕事を君に任せるのか」。このように仕事を任せる理由について具体的に伝える必要があります。また、Z世代は承認欲求が強いので、フィードバックを小まめに与えるとよいでしょう。
プライベートを尊重する
ミレニアル世代も仕事とプライベートを分ける傾向は、それまでの世代に比べると強い傾向があります。さらにZ世代は、ミレニアル世代よりプライベートを重視します。そのため、職場の飲み会に参加しないことも多いようです。
Z世代とは、お互いのプライベートを尊重しながら、コミュニケーションを深めていくとよいでしょう。
対等な関係性を意識する
Z世代はSNSで、オープンでフラットなコミュニケーションに慣れています。かつては、先輩だからという理由だけで、後輩に仕事を与えることもありました。しかし、Z世代にはそのような仕事の与え方を避けた方がいいでしょう。
社内では、上司と部下、先輩と後輩という関係性があります。しかし、人間としては対等であることを意識して付き合う方が、よい関係性を構築できます。
Z世代の価値観を認めて仕事に生かす
Z世代の価値観と言いましたが、世代により価値観が違うのは当たり前です。
かつて「新人類」という言葉がありました。経済学者の栗本慎一郎氏が作り出した造語です。1979年ごろからテレビや週刊誌などのメディアで扱われました。当時の若者を「従来とは異なった感性や価値観、行動規範を持っている」とし、否定的な意味にも肯定的な意味にも扱われました。
新人類は1956年から1964年ごろに生まれた人のことを指します。それ以前の人と価値観が違ったように思えたのでしょう。
このようにいつの時代でも世代間ギャップは存在します。それは社会が変化し続けるからです。
Z世代・ミレニアル世代・X世代・ベビーブーム世代が、自分の世代の価値観だけでなく、他の世代の価値観も知って、認めていくことが重要です。
さらに新しい世代は社会の映し鏡ともいえるでしょう。Z世代は、「ダイバーシティ&インクルージョン」「ワークライフバランス」「SDGsの取り組み」に興味を持っている人が多くいます。これらは今日的な課題でもあります。Z世代から新しい時代の変化をつかむのがよいでしょう。最後までお読みくださり、ありがとうございました。